絵画はコミュニケーション

絵画はコミュニケーションの道具です。
古代から現代にいたるまで、絵はあらゆる生活場面で対人関係に利用されてきました。
そのような絵画と向き合うにあたって、大切なことが一つあります。
それは、何を自分は伝えたいのか自覚すること、
そして、結果として、現実には何が伝わっているのかを知ることです。
まず、自分が具体的に何をしたいのか、はっきりさせましょう。
次に、受け手にとって、絵の受け止め方はとてつもなく多様であるという現実と向き合いましょう。
観客の年齢・経験・教養・先入観・期待・好み・認知のありかたによって、何が真っ先に目に入るかは違ってきます。
色彩や絵肌を見る人もいれば、形から見る人もいるし、明暗や構図に目が行く人もいれば、絵のテーマが気になる人もいるのです。
ちなみに、美術の教科書に採用されている作品の多くは、観客の絵の見方の多様な癖を乗り越えて、感動を伝える力のある作品が掲載されています。
「人がどう見るか」について逃げずに直面し、なおかつ自己の表現を貫徹した画家の鍛錬のあとなのです。

自分の中にある動機と、他人の受け止め方の双方を同時に探求すること、これが絵画を学ぶことです。
そこでは、人生における対人コミュニケーション上の経験が大いに役立ってきますし、時には諦めも肝心です。
常に、自分は何をしたいのか、何ができるのか、それは客観的にはどうなのか、手を動かしながら粘り強く考え、時に人に見せて確かめること。
その中において歳月は常にあなたの味方です。
どんな小さな子供でも、年齢を経た人でも、描いているうちに必ずどこかにたどり着きます。

オリジナリティを大切にする

ここでは、先生のお手本通りに描くのではなく、自分で一から描いてもらって、それぞれの画風を確立してもらっています。
我々は指導はしますが、代筆はしません。
どうすればよいのか、一緒に考えて、描いてもらっています。
その結果、生徒の個性を重んじるとの定評を得ています。

絵はコミュニケーションだから、作者が観客に受けようと思うのは当然です。
でも、「より良く受けたい」と思うなら、自分の考え、個性を大事にして表現していきましょう。
最も個性的な表現は、人工的にこしらえるのではなく、あなた自身の自然な個性から自ずと出てくるものです。
世界は広いです。どこかにあなたのファンがいることでしょう。